効果的な宿題の確認方法―正確に確認し、配布する方法とは

学校の先生
親
先生

毎日の宿題の丸付けに困っています。宿題の丸付けだけにほとんどの休み時間や放課後の時間を追われてしまっています。また、チェックをするのも一苦労です。小松さんはどのように思われますか。

小松
小松

こんにちは。宿題を確認する時間に多くの時間を割いてしまったら大変きついですね。何年生をご担当ですか。また、宿題の内容と量はどのくらいでしょうか。

親
 

5年生の担任で、漢字104字ノートに1ページ、計算ドリル1ページ、プリント1枚音読、週末に自主学習か作文を出しています。音読カードは使っておらず、プリントに音読のサインを書き込めるようにしています。

小松
 

漢字・計算などはどの程度添削していますか。

親
先生

漢字は全部の字を見て、止めはねはらいをしっかりできているか見ます。雑だったら全て書き直させます。計算はどこでつまずいているか確認したいので全部みます。作文・自学などはせっかく調べたのですからコメントを全てに書きます

小松
 

なるほどですね。ありがとうございます。ちょっと子どもたちと先生にとってはきついかもしれませんね。私は、宿題消極的派ですので、その立場で回答させていただきますね。

親
 

よろしくおねがいします。

今日は、宿題の確認方法。よく若い先生方が夜遅くまで残って確認されているのを目にしていました。

   

 

他業種の方にはわかりにくいかもしれませんが、実はこれは間違った仕方をすれば先生方を病休にする一因にもなりえます。

 

 

また、そうでなくとも、子どもと過ごす豊かな時間を宿題と過ごし、関係を築けないことも考えられます。

 

 

 

そこで、今回は、宿題の目的や、回収方法を含む宿題についての考えを読んでいただきます。この記事を読んで、宿題に対する考えを見直していただけると嬉しいです。

 

宿題の目的

 

宿題は、家庭学習の習慣をつけるためにするもの

 

 

宿題はあくまでも家庭学習です。教師の仕事ではありません。法律でも何も定められておらず、あえて言うならば学校である程度の慣習がある程度です。

 

つまり、日本の文化です。外国ではしません。

 

 

それでも、宿題の目的を立てるとするならば、

 

・家庭での学習習慣の定着。

・授業で終わらなかったところの消化。

・学習内容定着の意味での復習。

・学習内容をより理解できるための予習。

・楽しくて家でもやってみたい活動。

・家でしかできない活動。テストのための勉強。

 

 

といったところです。

 

 

「楽しくてやっている」「自分のためになっている」「自分でもできる」という認識を子どもたちが持つことが大事です。

 

 

小松
小松

目的は様々。子どもに必要な力を目的にしましょう。

 

 どのような宿題を出せばよいか

 

 

基本的に自分だけで短時間でできるもの

 

 

私は、主に漢字と計算のみを出していました。漢字を全て覚えたら国語の語彙をする感覚です。

 

また、別に覚えさせたいものがあれば、その都度どちらかに代えて宿題として出すといったところです。

 

・漢字または国語(条件付き)

・計算(条件付き)

 ※状況に応じて変更有

 

小松
小松

基本的に国語・計算のみでよいです。理科や社会で覚えさせたいものがあったらそちらを優先しましょう。基本的に学校で全て終わらせるのが理想です。

 

 

 宿題の量が少ないのでは

親
 

でもこれでは、宿題の量が少なく、いい加減に丸付けする教師と思われませんか。

小松
小松

説明不足だと思われるかもしれません。でも私の場合、宿題についてクレームを受けていません。理由を説明します。

 

覚えることに徹底した小テスト

 

 

小テストやテストで合格した人は、宿題はしなくてよいというシステムをある時期つくります。漢字の小テストを朝1番に行い、合格すれば漢字ノートに書かなくて良いというものです。

 

 

というより書く必要がないです。覚えるために書いているのですから。

 

 

その小テストでしっかり誤字をみます。誤字をした子にはピンしかつけずなんで間違えたのか見直しをさせ、正しく覚えさせます。

 

 

結果的に小テストの勉強を子供たちは必死でします。そのせいで朝の時間や家庭学習で100字以上は裏紙に書いています。それが本当の学習だと思っています。

 

 

算数にしても同じで、処理を覚える時期と処理を早くする時期があると思うのですが、その目的に応じた目標を達成していれば宿題をする必要はないと思います。

 

 

どのように回収・配布をするか

 

 ・班ごとに集め、班ごとに配る

 ・確認は大きな〇だけ。

 

 

学級は、最大でも40人ですから、5人班が8班になります。

 

 

それを朝学校に来たら、教師の机の上に班ごとに重ねさせておきます。それを、全て、班ごとに丸付けをし、班ごとに配ります。

 

 

班ごとに提出していますので、確認は人数分そろっているか確認するだけなので、簡単です。

 

 

コメントはたまに「GOOD!」や「いつも上手ですね」と書くくらいであまり、時間をかけずに効果があるものだけを書きます。  

 

学級が25人程度だったらもっとたくさん書きます。ただ最近の学級の児童数は多いですよね。

 

 

 配布は、班ごとにすればものの数分で配り終わります。ばらばらにしてしまうと、配るのに大勢の人が必要ですので、効率がよくありません。

 

 

宿題がもたらすデメリット

 

宿題が原因で、行き渋り・不登校。家庭内での反抗の原因になることがある。

 

 宿題というのは、基本的に、子ども達にとってストレスです。特に自分だけでわからない問題があると、それだけで、「学校に行きたくない」という子どもが出てきます。

 

 

また、宿題があって、やる気が出ない。でも親からしないさいと言われ、さらにやる気がなくなる。それで、勉強嫌いになる。これは勉強に対する悪循環です。  

 

 

結局これでは、本来の家庭学習をさせるというねらいに反します。

 

 

だからこそ、学校でしっかり学び帰りなさいという話をしてください。授業時数が年間1020時間もあるのですから、そこで力をつけて帰る。あとは、自由にさせても良いのではと私は考えています。

 

 

どのくらいの時間を宿題確認に要するか

 

先ほどの相談ケースの場合、教師の負担は深刻です。学級を40人とします。

 

 

「漢字ノート」
1分  × 40人 = 40分

「計算ノート」
1分  × 40人 = 40分

「プリント」
1分  × 40人 = 40分

「連絡帳」
30秒  × 40人 = 20分


合計         140分(2時間20分)

 

 

2時間20分も宿題と見合う時間になります。計算すると、無理しているのがわかりますよね。さらに、やり直しもさせるわけですから、負担はさらに+30分ほどを見込めます。

 

 

自主学習ノートや作文ノートは基本的に勤務外の時間にみることになります。これでは、先生の時間は減っていき、子ども達と関わる時間もありません

 

 

また、連絡帳に何かが書かれたあったら、管理職に報告し対応を求め、返事を丁寧に書いているだけで40分はかかります。かなりの時間ロスです。

 

 

小松
小松

若いころは、なぜか宿題を夜中までみて、持ってきていない子をしかってばかりいました。逆に全く見ない時期がありました。どちらも学級が荒れていく原因でありました。。

 

 ノートをしっかり見るために、AとBで2冊用意するのはどうか

 

 

これはありえません。あくまで時間がかかる前提で行われているので、時間をかけずに見ていくのがポイントになります。

 

 

また、ほめたり指導したりするのは、できるだけ早い方が効果があると言われています。  

 

前日の宿題を、2日後に配るとなると48時間以上の時間が経過してしまっています。つまり、そこで指導が入っていたところで子ども達には効果が薄いです。

 

 

ノートは1冊で十分です。

 

子どもたちが当番活動で名簿で確認するのはどうか?

 

 

ありえません。子どもの学校の時間を何ととらえているでしょうか。即刻やめましょう。教師の仕事です。

 

 

ただ、学級の中で居場所が無く、何かをしたがっているような子がいる場合は、した方が良い場合があります。

 

 

基本的に、子ども達の為にならないのでやめましょう。

 

 

机の上に出させて確認

 

児童用の机の上に出させて判子を押していく。出ていない子がはっきりその場でわかります。している子としていない子がはっきりわかります。

 

 

これは、心の弱い子にとってプレッシャーです。

 

 

全員がしていて問題ない場合、実施してよいと思います。ただし、心が弱い子が忘れがちな場合はしないようにしましょう。

 

 

班ごとに重ねる

 

最終的に行き着いたやり方はこれでした。班ごとに班の提出先に出させる。そして、重なり具合をみて提出していない人を確認。みたのは大丸。それだけです。ミスが多そうな子はじっくりみますし、数日に一回メッセージを書きます。

 

 

「いつもきれいな字だね。続けましょう。」

 

「いつもミスが少ないね。すばらしい!」

 

 

など10秒以内でかける量を書いていきます。

 

 

連絡帳について

 

基本は、はんこのみ。

 

ご意見・ご質問がある場合は、家庭訪問か電話連絡で行う。

 

 

クレームや相談等ありましたら、放課後に電話をする旨を書いて、放課後電話や家庭訪問をして話しましょう。

 

 

急いで書く文章には、語弊や誤りが付きものです。  

 

 

管理職に相談、文を考える、文を書く。これだけで、40分はかかってしまいます

 

 

連絡帳に書くのは、1分以内に。放課後10分電話しましょう。子どもがいる時間の10分といないときの10分の違いは身に染みてわかってのことと思います。  

 

記入例

・ご意見ありがとうございます。放課後、お電話にてお話をさせて頂きます。
 お忙しい時間だとは思いますが、よろしくお願いします。

・ご質問ありがとうございます。放課後、お電話にてお応えさせて頂きます。

 

 

直接あって伝えられるものが10だとしたら、電話では5。文字では1です。基本的にクレームには家庭訪問。質問には、電話が良いかと思われます。

 

 

音読はどうするか

 

音読は、家で子どもはまともにしない。学校でさせる。

 

 

低学年はわかりませんが、私の感触から言うと高学年は、3分の1以上の子は音読をさぼるか、読み飛ばします。もしくは親は聞いていません。いや聞く余裕がないというのが正解でしょう。

 

 

教師も、音読の宿題は多かったり少なかったりとまちまちにしか出せませんから、出さなくて良いです。学校で揃えて読ませましょう。

 

 

小松
小松

音読させたいという家庭や先生もいらっしゃると思われますが、全家庭のことを考えたらどうなのか審議されると良いと思います。低学年での実態をよく聞きましょう。

 

自主学習について

 

 自主学習は、宿題として出さない。

 

 

自主学習は宿題として出すのはやめましょう。ただのノートを埋めるだけの作業になりかねないからです。

 

 

それよりも、一番学力が低い子に、適切な力をつけなければならないのではないでしょうか。

 

 

学力が低い子は、自分が学力が低いなんてことはよくわかりません。課題も見つけられません。自主学習をしてきてと言われてするのは、最終的には、図鑑を丸写しする程度です。

 

 

自主学習を熱心に取り組んだ先には、高学力の子は自身の課題をしっかり見つけ課題を克服していくわけでありますが、低学力の子達は、よくわからないのでより自分が楽をするためにどうすればいいかという思考に流れてしまいます。

 

 

そこで、子ども達は、先生に呼び出され、「これではだめです」という指導を受けます。結論、指示を出すしかないのです。

 

 

それなら、初めから低学力の子に合わせて、宿題を組んでおくのがよいかと思われます。自主学習をさせたいのであれば、小テストやテストを実施するくらいを宣言しておいて、自主的にさせるようにしたらどうでしょうか。

 

 

自主学習のメリットを理解させる

 

自主学習をすれば、学力がつく。学力がつけば楽しくなると実感する。

 

例えば、小テストに合格すれば、無駄に書きまくる宿題をしなくてよくなる。

 

 

テストのやり直しが無ければ、体育館で自由に遊べる時間を設けられるなど、メリットを用意しておきます。

 

 

自主学習をした先や、学力をつけた先には楽しいことが待っていると認識することで、より自主学習をして学力を伸ばしたくなります。

 

 

これは、ごほうび教育ではないかと批判を受けるかも知れませんが、友達と遊ぶ力をつけるのも、運動するのも、学校で学ぶ

 

保護者の方は無意味な文字埋め学習をきらう

私と同じ考えで、字埋めの活動を嫌っている方は多くて、本当に意味のある学習をしたいと語ったら、首を横に振られる方はいませんでした。

 

 

むしろ、漢字をしっかり定着させて感謝されることが多かったです。インプットだけでなく、アウトプットをしないと脳に記憶されないと言うと理解していただける場合が多いです。

 

 

最終的に力がついていればOK

 

 

最終的に、その学年の実態に応じた力がついていればよいのです。授業で下向きにならない子を1人でも減らす。そんな力を。

 

 

これからたくさんのベテランが抜け、たくさんの若手が入ってくる時代です。学校に全てお任せの保護者が多い時代です。一番力のない子は前学年の力をつけていないまま高学年に上がってくることだって考えられます。

 

 

必要で最小限のことを一番学力が低い子が力に着けられるように、全教科で集中して指導していかなければなりません。

 

 

シンプルに力をつけられる家庭学習にしたいものです。

 

 

宿題の消極派とは?

 

私は宿題を出すことに対して消極派です。つまり、宿題は無しでも良いと思っている人です。

 

 

いろいろな慣習がなければ、全く出さないくらいです。というのも登校をしぶっている子、家庭環境が整っていない子、塾や習い事が忙しい子などいろいろいます。

 

 

若いころ、たくさん宿題を出してそれが嫌で学校に行き渋る子がいました。宿題を出せないがために朝から子ども達をしからないといけない日がありました。他に輝ける実績がある子に宿題をなぜだせないか問いただす日もありました。全くもって身勝手な行動であったと反省しています。

 

 

ただでさえ、人間関係のきつい学校に身をおくわけですから、家は休む場所であってもいいのではと考えます。

 

 

人生は、そんなためにあるのではない。学校はもっと幸せに近づけるところ。そう思うようになったのはこの頃です。

 

 

だから、私は宿題否定派です。宿題をたくさん出してほんの少しの力をつけるより、学校に毎日来て笑いながら家に帰ってほしいと思っています。

 

 

まとめ

 

 

それでは、まとめていきます。

 

 

・宿題の目的は様々。つけたい力で目的を変えるとよい。

・宿題は、主に「国語・漢字」と計算。

・宿題は、班ごとに提出し、大丸のみ。

・つけたい力がついていたら宿題をする必要はない。

・連絡帳は基本的に書かずに電話。

・宿題というものの存在を、全ての家庭を見て考慮。

 

 

参考になったら嬉しいです。今後も、みなさんの役に立てるように尽力します。

 

 

判断に困ったときは、学級の中で一番学力が低い子の宿題の様子をみてくださいね。本当にその子が出せる宿題になっているかを本人とその家族を含めて考えられてください。それでは。

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