高学年になって、子供たちが活発に交流しません。学級づくりの問題とはわかっていますが、研究授業も控えており、活発に交流させたいのですが、どのようにしたら活発に交流しますか。
それは、高学年をもっている先生だけでなく、他の学年の先生も同じ課題をもっているでしょうね。どういう交流をされているのですか。
本文に線をひいたところを発表させる、気付いたことを発表させるなどです。「がんばって発表しよう!」と言っても、いつも決まった子しか発表しません。発表したら、宿題無しにするとかしかないですかね。
なるほどですね。高学年らしい反応です。誰もがそのことで悩まれることだと思います。私が、やっていたことを、お伝えさせていただきますね。
今回は、高学年の交流の方法です。
「時間をとって交流をしているのに、交流がなかなかうまくいかない…。」
これは、学校の先生は全員経験したことがありますよね。
今回は、そのような挫折をたくさん経験してきた私が、最終的に至った考え方と交流方法を紹介します。
小学校高学年における交流方法
どうして高学年になって発言できないか
まずは、高学年になってからどうして子供たちは発言できないか、理由を考えてみましょう。
「恥ずかしいから」
「発表しても意味はないから。」
など、たくさんの理由が考えつくでしょう。
残念なことに、高学年になって、「発表して目立ちたい。」「発表しなければならない。」と考えている子どもは1割にも満たないでしょう。
特に6年生は、なかなか発表したいなんて思わないでしょうね。
学級の雰囲気が良ければよいのですが、なかなかそのような理想的な状態で上がってくる子供たちはいませんよね。
基本的に子供たちは、積極的に発言することはないと考えていなければなりません。
これは、大人にとっても言えることです。研修会に参加しても積極的に発言する人はなかなかいません。
大人になるにあたって、メリットが無いことはなかなかしなくなるというのは、自然なことです。
ドラマのようにみんなが手を挙げるクラスや、感動的な授業は記憶の隅においておきましょう。高学年の子供たちは、以前も今もクールな姿を好みます。
発言するとき
しかし、そのような人前での発言をためらう発達段階でも、発言するときはあります。
それは、以下のようなときです。
話題に興味・関心があるとき
これは、現在の学習指導要領で求められていることですね。
「これってなんでだろう?」
「たしかに気になるな。」
といった問題を子供たちの中で出させたら〇です。自然と話しあうでしょう。
自分に指名されているとき
まず、「自分に指名されているとき」は、子供たちは発言します。
教師との信頼関係もあるのですが、この時期の子で指名されて発言しない子はなかなかいないのではないでしょうか。
言い換えると、指名をすれば小学生は大体答えます。
最低条件として、それは知っておきましょう。それ以上の対応は特別な支援が必要になります。
話しやすいとき
「話しやすいとき」とは、多数の人ではなく、仲の良い友達や班の友達などです。また、1対1なども話しやすいでしょう。
高学年になると、学級全体で話すというのはなかなか抵抗があります。しかし、グループで話したり、立って歩きながら話したりすることは、容易にできます。
全体交流によっぽどこだわりが無い限りは、グループや立ち回って話しを聞くのは、効果的な手立てとしていえるでしょう。
学習や課題に合わせて、ペアで、3人・4人グループで、学級全体で、いつでも話し合えるようにしておきたたいですね。
自分にしか答えがわかっていないとき
「自分にしか答えが分かっていないとき」は、子供たちは積極的に発表をします。普段発表をしない子でもです。
これは、集団に心理的に優位に立てるときは、子供は、人目を気にならなくなるのでしょう。
例えば、
「織田信長が最後に、どうやって命を落としたか知っている人?」
と尋ねると、喜んで答える子どもがいます。
これは、「他の人はわかっていないけど、歴史が好きな自分だけしかわかっていない。」と考え、軽い優越感から発言に至ります。
「自分にしか答えがわかっていないとき」には、発言します。
普段以上に自分がみられているとき
「普段以上に自分がみられているとき」というのは、参観学習や研究授業などにおいて、自分が見られているという状況になったときに、よく発言します。
だから、話合わせたい場合は、研究授業などのときに合わせると、子どもたちも活発にふざけずに話し合うかもしれませんね。
高学年の子どもが発言する方法
以上の考えと、6年生の実態を総合的に捉えると、次の4つが重要なポイントになってきます。
実際に私は、列で当てたり、番号で当てたりして、発言を引き出していました。
また、班で話合わせたことを班から一人ずつ発言させることで、必ず発言しないといけない環境づくりをすることで、考えを形成させました。
留意すること
留意することは3つあります。
人前が苦手な子を初めに当てないこと
人前の発言が苦手な子は、どもったり固まったりしてしまします。そのような子供に配慮して、何番目かに当たるようにしましょう。
そうすると、自分の番が来るのはわかるので、その間に心の準備をすることができます。
答えられる発問をすること
子供たちが、答えられる発問ではないと答えられません。発問については、別の回で詳しく解説します。
黒板には整理された内容を書くこと
発言が多くなると、その分、板書上で整理しないといけないことが多くなります。すると、整理した内容を書かないと、板書が汚くなってしまいます。
授業についてこられない子にとっては、板書が大切な支援なのですが、たくさんの文字があるだけで嫌になってしまいます。
教師が子供たちの言葉を聞きながら手元でメモをとり、まとめた内容を黒板に書くと良いでしょう。
具体的には、子供たちの発言を全部黒板に写すのではなく、一度手元でメモをとり、全てを踏まえた形で黒板に書くということをするとよいです。
発表が多くなるにつれ、黒板の整理は難易度を増すばかりで、必要のない発言も多くみられてきます。
また、黒板に書いてもらえないと、
私の発言には価値がないのかな。
と子供たちは察します。だから、子供たちは、黒板に書いてもらえるよう発言をしようとします。
そうならないために、メモをして、または、メモをとっているふりをして、全ての考えを受け入れられているというようにしてみる方法をおすすめしています。
実際に、国語や道徳の授業で若い先生方に取り組んでもらったことがあるのですが、好評でした。
先輩方の真似と自分の実践の反省からこのような方法になりました。
まとめ
今回は、高学年の交流の方法についてでした。まとめると次のようになりました。
実態によっては、もう少しレベルを上げることはできます。まずは、一番厳しい実態を想定して授業として成り立つようにしてみました。「このような選択肢もあるんだ」と参考にしてもらえると嬉しいです。それでは。