宮西達也作「ニャーゴ」の指導方法—音読劇を通して読みを広げる

ニャーとの指導方法国語

 

先生
 

2年生の担任になります。「ニャーゴ」という教材ですがどのように授業をしたらよいでしょうか。

 

2年生の「ニャーゴ」ですね。どのところまで考えられていますか。

 

先生
 

はい、場面に分けたり音読をしたりするところまではわかるのですが、どのように1時間ずつの授業を構成すればよいかがわからなくて…。

  

低学年は、とにかく子どもたちが「読むのが楽しい!」「国語が楽しい!」と思えるような、音読学習を仕組めるとよいですね。最後に音読劇発表会をできるような楽しい単元学習にしてくださいね。解説します。

 

 

 

今回は、「ニャーゴ」の指導方法。場面についてしっかり学ぶ大事な単元でもあります。

 

最終的に楽しい音読劇になると良いですね。

 

教材研究編

作者について

まず、作者の宮西達也さんとはどのような人でしょうか。

宮西 達也(Miyanishi Tatsuya)
宮西達也さん 絵本ナビより

1956年静岡県生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。

 

「きょうはなんてうんがいいんだろう」(鈴木出版刊)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。

 

「パパはウルトラセブン」(学研刊)などでけんぶち絵本の里大賞を受賞。

 

他にも「ティラノサウルス」シリーズ(ポプラ社)などの作品がある。

「絵本ナビ」より

 

 

「ニャーゴ」の作者は、「おまえうまそうだな」などのティラノサウルスシリーズで有名な宮西達也さんです。

 

コミカルで心が温まる話ばかりで人気の作家です。

 

「にゃーご」は鈴木出版で、「ちゅーちゅー」という続編も発売されています。

 

教材を分析をするときは、必ずその作者から学んでくださいね。本文を読んだら次に作者についてたくさん調べる。そして、その思いを汲み取ったら、授業の流し方が変わるときもあります。

 

教材について

「ニャーゴ」か「にゃーご」か

 

絵本のタイトルは、「にゃーご」ですが、教科書には「ニャーゴ」と載っています。これは、どうしてでしょうか。

 

答えは、簡単です。「ニャーゴ」という猫の鳴き声が擬声語だからです。

 

擬声語とは、人や動物の声を言葉で表したものです。

  

他にも、「ザーザー」などの自然やものが出す擬音語。「キラキラ」などのものの様子を表す擬態語などがありますので、確認しておきましょう。

 

このように、擬声語などの音を言葉をあらわすときには、カタカナ表記で表すというように国語科では決められています。

 

 

 

絵本の作者は、受け取り手のことを考えて、柔らかい印象を受けるひらがなにしたり、少し冷たい感じのするカタカナにしたりするので、教科書と異なることはよくあることです。

 

つまり、教科書では、教育上擬声語の「ニャーゴ」を。絵本では、やわらかい優しい印象を受けるひらがなを採用されていると考えられます。

 

音を言葉で表せるのは、日本の大事な文化ですね。

 

音読劇教材とは

 

音読劇教材は、最後の音読劇に向けて、毎時間の動作化や役割演技をしながら音読をする。

 

 

音読劇教材の良さはどのようなことがあげられるでしょうか。

 

音読劇教材は、単元の最後の音読劇に向かって動作化や劇化しながら学習していきます。

 

子どもたちは親に向かって発表できるのでほとんどの子は張り切って取り組みます。

 

親も子どもたちが生き生きして学習するので、満足します。

 

教師も子どもたち意欲的に学習に取り組むので、教材の準備のしがいがあります。

 

つまり、子どもにとっても、親にとっても、教師にとっても良いと思える教材になるといえます。

 

また、子どもたちは、客観的に物事を捉える能力がまだ無いので、音読の世界に入らないと分からないことがあります。

 

低学年にこのような音読劇教材が多い背景には、このような学年の発達段階の実態があります。

 

だから、低学年の国語科の教材としては、効果的であるということが挙げられます。

 

それでは、音読劇教材とはどのように流せば良いでしょうか。 

  

 

音読劇教材の一時間の流し方

 ① めあての確認

 ② 全員で音読

 ③ グループに分かれて役割演技

 ④ グループごとの発表

 ⑤ まとめ

 

①と②は入れ替わっても構いません。

めあてを書いたり読んだりする時間がもったいなので、めあてと本文は全て黒板に書き込み、用意しておきます。

 

本文のカードを用意した方がよいですね。

 

あくまで、狙っている姿に辿り着くのが学習です。めあてやまとめを一生懸命にするのは二の次です。

 

 

全員で音読するときに、気をつけて読むところに目を付けさせます。それぞれ言葉の読み方を子供たちに発問し、場面を想像させながら音読の仕方を考えさせます。

 

「ここは、小さい声で読みます。わけは、ひそひそ声で話し合うと書いているからです。」

  

 

「ここは、怪しい感じで読みます。わけはねずみを食べようとしているからです。」

 

など、簡単に整理したところで、グループで練習します。

 

グループ練習の中で、向きとか行動とかを考えさせたい場合はそこで、小発問をしていきます。

 

グループごとにできたものを、交流していきます。

 

そこで、良かったところをほめていくと、真似していくでしょう。

 

まとめは、その場面のもっともミソとなるところを書いておくと良いですね。 

 

次回の場面の予告をしておくと、音読の宿題なども張り切ってしてくるでしょう。

 

授業実践編

 

 

単元の前に

 

 

宮西達也さんの絵本をたくさん読ませましょう。

 

子どもたちは、宮西達也さんの本は、大好きです。ティラノサウルスシリーズは特に子ども達にとって心温まる話でしょう。

 

 

少なくとも、3冊は読み聞かせをしておいて、「宮西達也さん」と聞いたときに目が輝けるようにまでしておきたいですね。

 

導入

初発の感想

 

読んで感想を伝え合いましょう。

 

そして、音読劇を保護者に対してするというように伝えます。

 

読みのめあて

とうじょう人ぶつの気もちをそうぞうして、音どくげきをしよう。

 

物語のあらすじをとらえる

場面ごとに大体どの人物がどのようなことをしたのかをとらえましょう。

 

あらすじが入っていないとなかなか行動をとらえることができないので、一度整理しておくとよいでしょう。

 

 

2時間かけて、5つの場面の猫とネズミが言ったことやしたことを整理します。

展開

1の場面

地の文、先生、赤ねずみ、青ねずみ、緑ネズミに分けましょう。地の文が2人いてもよいです。

 

頭につける人物カードがあるとよりいいですね。厚紙にゴムでつけてお面をずらしたようにするとより人物になり切ろうとします。

 

グループに分かれて音読練習をします。

 

この場面でとらえさせたいところは、他の子と違って3人が違う方向を向いて、話を聴いていないところです。違う方向を向いて、違うことをしていると把握させましょう。

 

各グループごとに、前に出てきて確認しながらするとよいですね。

 

ノートはとる必要はありません。教科書に、読むときに気を付けるところを書かせて読ませるようにしましょう。

 

2の場面

同じように地の文、猫、赤ねずみ、青ねずみ、緑ネズミに役割分担して音読します。

 

この場面のポイントは、登場する猫の行動をとらえて音読させることです。

 

ニャーゴ

三匹の前に、ひげをぴんとさせた大きなねこが、

手をふり上げて立っていました。

  

どんな風に読めばいいか発問してください。思いっきり怖そうに出てくるのが良いと最終的にはなるでしょう。

 

また、子ネズミの話し方にも気を付けたいです。

 

三びきは、かたまってひそひそ声で話し始めました。

「びっくりしたね。」

「あのおじさんだれだあ。」

「きゅうに出てきて、ニャーゴだって。」

「おじさんだあれ。」

 

「ひそひそ声」ってどんな声? 何人かしてくれる子が出てくると思いますよ。

 

「ニャーゴだって。」というまでは、ネズミに同士で向かいあって話していますが、この「おじさんだあれ。」は、猫に向けて言います。

 

また、ネズミに向かって言って、指さしてくる子も出てくるでしょう。これは、解釈の違いなので、話し合わせてみると面白いかも知れませんね。

 

「おじさんだあれ。」

ねこはどきっとしました。

 

「おじさんだあれ。」

と元気よく聞きました。

 

「だれって、だれって、……たまだ。」

ねこは言ってしまってから、少し顔を赤くしました。

 

1回目の2回目の違いを考えながら、読ませると良いですね。

 

言う方向など行動面がしっかりとらえられるように考えたいです。

 

「顔が赤くなるというというのは、どういうこと?」

この発問でかなり深まります。本当はもっと怖がって欲しかったのに、それができない恥ずかしい気持ちを読みとれると良い勉強です。

 

3の場面

 

同じように、役割を持たせてグループごとに練習します。

 

この時間で考えさせたいのは、猫の「ひひひひ」という台詞です。

 

  

(うまい。でも、たくさん食べたらいけないぞ。

おなかいっぱいになったら、こいつらが

食べられなくなるからな。ひひひひ。)

 

「ひひひひ」と言わせた後にどんな気持ちで言ったかを聞き、「悪いことを企みながら言ったんだね。」などと、価値付けてあげると良いですね。

 

 

お調子者の子は、このセリフ好きでしょうね。

 

4の場面

ニャーゴ

できるだけこわい顔でさけびました。

そして、

「おまえたちを食ってやる。」

と言おうとしたそのときです。

  

 

「できるだけ怖い」という表現で、低くうなるような声が出せる子がいたら、その子をお手本にしてみたいです。

 

「ううん。」

ねこは、大きなためいきを一つつきました。

 

「大きなため息をついてごらん。」「小さなため息をついてごらん。」などとゆさぶっていって、「なら、もっっと大きなため息をついてごらん。」と深めていくとよりよい読み方になるでしょう。

 

5の場面

ねこはももをだいじそうにかかえたまま、

ニャーゴ

小さな声で答えました。

 

 

音読発表をしているときに、最後の「ニャーゴ」と言ったときの気持ちを尋ねると良いですね。

 

子どもA
子どもA

なんでこんなやさしい子たちを食べようとしたんだろうとおもったんだと思います

子どもB
子どもB

自分は食べようとしていたのに、やさしくされてうれしくなったと思います。

 

最後の、猫の涙にも着目させたいですね。

終末

音読発表会

 

音読発表会をします。1クラス単位で、音読劇を親に発表するのも良いです。

 

保護者に見せるのが困難ならば、同じ学年の子に発表したり、違う学年に見せたりするのも良いですね。

 

 

各学級や学年の状況に応じて対応を変えると良いでしょう。

 

単元の導入に、だれにどのように発表するかを伝えることで子ども達の意欲が上がります。

 

机を廊下に出して、黒板の前で発表、真ん中に子供、後ろに保護者の椅子を用意して発表させるのはいかがでしょう。

 

注意することがあります。

 

トラブルになりそうなのは、役割決めと場面決めです。役割を決めるときにどうしてもなりたい役ややりたい場面に当たらなかったら、意欲は上がりません。

 

 

2回したり同じ役を二人でするなどして対応視されると良いでしょう。

 

 

一つの音読自体に7分程度しかかからないので、全グループが発表できたら良いですね。

 

 

おまけ

 

ベテランの先生なら、すぐに気づくことができると思うのですが、これは、通知表の所見欄に書き易い単元になります。

 

「音読劇をした場面」「音読劇の役」「表現の工夫」を名簿にメモしておきましょう。もし、国語科の成績が良くて、他の教科領域等で書くことができない場合、書くことができるようになります。

 

 

所見例

国語科「音読劇をしよう」の学習では、「ニャーゴ」のたま役として、ねずみたちが怖がるように手を大きく広げ、セリフを音読し、友達から「はくりょくがある!」と称賛されました。登場人物になり切り、場面を想像しながら音読する力が身に付いています。

 

このように、書くことができます。つたない文章で申し訳ないですが、表現の仕方は、担任の先生次第かと思われます。

 

 

これに、当番活動や係活動の所見を入れて、休み時間の様子を想像できるように書いたら、良い所見になるのではないでしょうか。

 

 

地域によって、書き方が違いますので、それらは地域の学校でご確認ください。

 

  

まとめ

 

 

今回は、「ニャーゴ」の指導方法でした。

 

音読劇教材なので、一場面一場面を丁寧に捉えさせて、お家の方に向けて音読劇発表を出来たら良いですね。

子供たちが、国語を好きになるきっかけになる素晴らしい教材だと思います。どんどん前に出させて楽しく音読劇をさせてください。

 

関連図書

関連図書のリンクです。

 

絵本や参考書は高価なものなので、まずは学校の図書館や市町村の図書館で検索をかけられて借りられてください。

 

インターネットでは、中古も購入できるので図書室にないものでも安く手に入ります。そちらも確認されてみてください。

 

 

タイトルとURLをコピーしました