こんにちは。小松さん。学級のことで相談があります。
こんにちは。どうされましたか。
実は学級でいじめが発生してしまっていて、なんとか収まったような感じです。しかし、学校全体としていじめが絶え間なく続いている状態です。一体どのようにして立て直し、これからもいじめが起こらないためにどのようにしたらよいでしょうか。
なるほどですね。それは厳しい状況ですね。安心して学校に通えず、保護者も子どももそして、先生方も心配でしょうね。カナダの教育学者ダン・オルヴェウスの「オルヴェウスいじめ防止プログラム」を参考に一緒に考えていきましょう。
学校を揺るがすいじめ問題。古今東西関わらず、ずっと起こっていることです。
今回は、いじめが起きたときの対処法というよりも、いじめが深刻化しないためにどんな取り組みをすればよいのかを、「オルヴェウスいじめ防止プログラム」を中心に述べていきます。
「オルヴェウスいじめ防止プログラム」とは
「オルヴェウスいじめ防止プログラム」とは、カナダの教育学者ダン・オルヴェウスが提唱したいじめ防止のための取組です。
子ども・学校・保護者・地域でいじめ防止に関わっていきます。
ヨーロッパやアメリカなどで導入され、8000校以上の実践があります。
ノルウェーなどではいじめ発生件数が激減し、今でもその考え方が生かされています。
「オルヴェウスいじめ防止プログラム」は、世界中で認知され、どこの国でもどの学校でもできる取組なのです。
具体的方法
オルヴェウスは、子どもだけでいる時間に大きないじめがあると考えました。
そこで、子どもだけでの時間をできる限り無くし、大人達で連携して見守っていきます。
学校では、登校時間はぎりぎりまで門を開けないで、教室に少人数でいる時間を無くします。
昼休みは、運動場など一か所に子どもを集め、いつでもトラブルがあったら大人たちがかけよれるようにします。
また、空き教室もいけないようにし、放課後も速やかに全員が下校するまで見守ります。
トイレや大人の目の届かないところでは、できるだけ目をやれるようにし、いじめが発生していないか確認します。
下校後も保護者や地域の方が見守り、いじめが発生していないか注意深くみていきます。
つまり、いつも子ども達を大人達が見守っている状況です。
深刻ないじめが起きるのは、登校時間後の教室や、休み時間、下校時間などに起きるものが多かったのです。
そこを、できる限り大人が見守って深刻なトラブルを減少させていきます。
言い方を悪くすれば、ずっと子どもを監視しているようなものと言われる方もいるでしょう。
しかし、それほどまでにいじめというのは子供たちの健やかな成長に悪影響を及ぼすというのが現状です。
実践してみると
取り組み自体は難しいものではなく、
「休み時間も子どもの様子をみておこうかな。」
「朝の会の前に教室にいようかな。」
くらいに認識しておくと、劇的に効果を表します。
そんな時間が無くて、手間だと思われる方もいらっしゃると思いますが、いじめが起きた後の生徒指導や保護者対応のことを考えるとかなり楽になると考えられます。
防ぐのが難しいいじめが増えてきている
実は、この取組がいとも最近崩れてきています。
それは、情報通信技術の進展です。簡単に言うと、スマホやゲームで簡単に子供たち同士でつながり合い、それが大人が見ることができないのです。
直接的な攻撃は法的に戦うことができるが、間接的に心理攻撃をするものに対処することができません。
暴言はスクリーンショットをして、相手に訴えたり民事裁判で決着をつけることができます。
しかし、グループを外すことやブロックすること。これらからくる苦痛は、大人がわかることができないのです。
できるだけトラブルの記録が残せるように、親が見守る環境でないとゲームができないことや、LINEなどの通信はいつでも見ることができるように消去しないことなどを約束しておくと良いかもしれませんね。
あくまでも、大人たちが見守れる状況化が大きな問題が起きにくいからです。
過保護と言われてしまうのは仕方がないことです。それだけ子どもたちの心は傷つき、命を落としている世の中です。
スマートフォンなどを渡すのであれば責任もって見守りましょう。
まとめます。
まとめ
・いじめ防止で大切なことは、できるだけ大人の目で子供たちを見守ること。
・スマホやゲームの進展で起こるいじめには気づきにくいこと。
いじめが無い楽しい学校生活が送れるように大人達全員で尽力しましょう。