上手な作文の書かせ方―5感シートを活用する

作文 学校教育

宿泊行事が終わりました。この後どうすればよいでしょうか。次の活動に移った方がいいですか。

はい、作文を書かせて、子ども達一人一人にがんばったことをコメントしてあげるとよいですよ。

なるほどですね。でも、作文はあまり書かせたことがありません。書かせたところで面白くない作文になってしまいます。何かいい方法はありませんか。

ある程度型が頭に入っていると、様々書かせることができるのですが、基礎から入りたい子のために、基礎的な作文の書き方を載せますね。

お願いします。

今日は、作文の書き方。あまり達成感が無いですし、読むのも赤を入れるのもきついと思われがちです。

 

 

でも、実は作文を学ぶだけで、学級経営も道徳も、保護者への連絡も全て終わります。

 

ひと昔前で言うところの「綴り方教育」です。書いたものを、子どもも、保護者も読んでいけば、子ども達の成長がわかります。そんな指導を目指した実践を紹介します。

 

作文を書くメリット

作文は時間がかかるし、子ども達も面倒くさいと思っています。それでもなんで書くのでしょうか。

はい、考えを論述できることで、もやもやした気持ちを吐き出せたり、冷静な判断ができるようになります。表現が苦手な子どもが多いですから、今の気もちを文章でも洗わせられるとトラブルが減るかもしれませんね。

 

作文を上手にかけるようになると、

それでは、良くない作文とは、どのような文なのでしょうか。

 

良くない作文

 今日は、朝起きました。トイレに行きました。朝ご飯は、ミルクパンとお茶でした。

 

 昼は、カップラーメンをたべました。そのあと、犬と遊びに公園に行きました。夕方になったので、帰りました。

 

 夜になって、晩御飯を食べました。ご飯と唐揚げとスープでした。そのあと、ゲームを20分して、宿題を60分しました。楽しかったです。

  

 

この作文は、一見良いように思えるのですが、ありきたりで読んでいて楽しくないですよね。どこにでもありそうな、何もない日常をただ並べているだけです。

 

この文のまま子ども達に読ませてあげて下さい。同じ感想を抱くでしょう。

 

 

 お母さんが、まじでむかついた。以前お母さんは、テストで100点をとったらまんがを買ってくれると言っていたのに、買わなかった。

 

 

こういう悪口は、読み手側にとっては気分が悪くなることです。

 

 

書かせるのは止めてあげましょう。それでは、良い文例というのはどのようなものでしょうか。

 

 

良い例

 

「朝は、こんなにも気持ちいいんだ。」

カーテンが風に揺れる。白い光が部屋に差し込んでくる。遠くから聞こえて来る鍋の音、鳥の声…。

 

朝の気持ちのよい空気を文を読むだけで頭に入ってきますね。また、朝の家庭音や窓の外から聞こえてきます。

 

 

海に行きました。着いたときに広がるどこまでも続く海。潮の香り。焼きつく日差し。強い風にスカートが強く揺れました。シャツが汗ばんで肌にべたついていました。しばらく行っていなかった海に、海にいる魚たちがみんなびっくりするくらいの声で「久しぶり!」と叫びたくなりました。

海に行ったときの、香り、肌の感覚。さまざまな感覚が研ぎ澄まされてしまいます。

 

このように、その場にいなくても、その場にいるような感覚にしてくれるような文が良いとされます。

 

 

良い例の書かせ方

 

まずは、いつどのときなのをはっきりさせましょう。朝起きたときなのか、海に久しぶり会った瞬間なのか、運動会の一シーンなのか。一瞬を切り取って表現することで言葉が生まれます。

 

 

その一瞬が決まれば次に5感シートを使います。5感とは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、痛覚です。またそれに、これまでの思いなども載せると良いでしょう。

 

何を見たのか、何を聞いたのか、何を味わい、なにを匂い、肌に触れる感覚はどうだったのか、それまでどんな思いだったのか。

 

これらを絡め合わせてその場が成り立つので、それらを書き起こせるようにしてあげられるとよいですね。

 

 

5感シートの例

初めに出したNGの例を添削してみます。昼と夜を割愛して、朝だけに絞ってみます。

 

 

添削後

朝目が覚めました。昨日までの疲れは嘘のように吹き飛び、思いっきり伸びをしました。外は快晴。勢いよく飛び出したくなるような天気です。リビングからは香ばしいパンの匂いや、ホットミルクをレンジで温めたチンという音が聞こえました…

 

五感シートを使うことで、文が読む人を幸せにしてくれます。こんな文がたくさん転がっていると、読む方も幸せかもしれませんね。

 

まとめ

良い作文の書かせ方

・事実の列挙をさせない。

・いつなのか場面を特定する。

・「5感シート」を活用し、その場の感情を書き起こせるようにしておく。

 

 

他にも、冒頭の工夫などがありますが、それはまた別の機会でまとめます。

 

 

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。それでは。

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