こんにちは。今日は子どもの食事について質問があります。私はADHDと診断を受けている10歳の子がいます。しかし、前から食は細く、食べる物や食べ方に独特なこだわりがあります。わがままはさせているつもりはないのですが、ここ最近食事の偏りがひどくて心配しています。
こんにちは。小松です。なるほどですね。ADHDのお子さんの食事はかなり気になるところではありますよね。何点か確認させてください。お子様は薬かなにか服用していますか。また、食事のこだわりとはどのようなものでしょうか。
はい、コンサータを毎朝1錠服用しています。きのこが絶対に食べられない。納豆がダメ。野菜を食べられず、安くて生臭い魚などは食べないなどです。なんどしかってもだめですし、どうしても食べようとしません。
ありがとうございます。たくさんがんばられたことがわかりますね。対象方法として、当てはまることがありますので、解説していきますね。
ADHDの子どもは、食へのこだわりが強い傾向があります。極端に肉ばかりを食べたり、極めて少食であったり・・・。
原因ははっきりわかることは少ないのですが、悩ましい事実なのは変わりありません。
そんなお子さんを持つ大人の方の悩みへの対処法を考えてみたいと思います。
食へのこだわりの原因は?
一般に言われているのが、味の知覚過敏です。私たちが気にしているより何倍も、苦さや生臭さを感じる傾向があるようです。
茹でていない野菜や、腐った魚や牛乳をイメージすると良いかもしれません。
一般の方よりも味の変化に気づきやすいと言われています。
それが、脳の影響なのか、味覚の過敏なのかは、わかっていません。
ただ好き嫌いをしているという感覚を少しだけ置いておいて、私たちよりも味に対して敏感だということを知っておいてください。
単に好き嫌いをしていると大人が勝手に勘違いをして、無理に食べようとすると、食に対する嫌気や大人に対する不信感に変わっていきます。
腐っている肉や生臭い牛乳、茹でていない生野菜を食べろという気分を味わっていると言ったら、少しは共感ができるかもしれませんね。。
薬の副作用について
先ほどおっしゃられていた中に、「コンサータ」という錠剤を服用していると申されていました。
実は、このコンサータには、食欲を減退させるという副作用があることがあります。
コンサータを服用している子どもは、服用後、食事はほぼ一口程度でお腹を満たすことができます。
一方で、それをわかってもらえずに、大人が無理矢理食べさせようとすることで暴れたり、食事に対する抵抗感が生まれるという二次障害が発生します。
食事はおいしく、楽しいもの。お腹が空いてもないのに、怒鳴られてたくさんものを詰め込まれる気持ちを想像してみてくださいね。
その他の要因
その他にも原因が考えられます。それは、その子の持つ独特な感性のもと判断されるようです。
・パッケージが気に入らない。 ・他に好きなメーカーがある。 ・見かけや名前が嫌。 ・なんとなく。
と言ったものです。
私たちの論理や経験を超える感覚を持っていますので、はっきりした原因が無くとも食べられないことがあります。
私が聞いてびっくりしたのは、
・めんどくさい。 ・格好悪い ・ださい。
といった理由のものでした。など耳を疑うものばかりでした。
理由は後付で付けられたと思われるような回答ばかりで、結局よくわかってあげられないこともあります。
1番初めに出会った子に無理矢理食べさせようとしていました。今思えば・・・。
困ること
こんなにも食べる物にこだわりがあって困ることはないのでしょうか。健康面が心配です。
確かに偏食で少食ですと、健康面が心配です。でも実は、好き嫌いがあったとしても、生きていく上であまり困りません。
というのも好き嫌いは多いけれど立派な大人になっている人は少なからずいるのではないでしょうか。
健康面は、やはり考慮しなければなりませんが、本人がそれを理解しサプリメントや食べられる食事で補っていけばよいと思います。
しかし、学齢期における給食がやっかいな相手になります。どう対処すればよいか、学校の先生や栄養士の先生の間で話し合って決めなければなりませんね。
・良い意味で好きなものだけを食べさせる。 ・必要な知識を身に着けさせる。 ・自分で決でしょうかさせる。 ・制度面で大人は支援する。 ・その他のマナーやルールは守らせる。
学校でできるのはそのくらいでしょう。
人ってどうしてもできないことはありますよね。
学校との話し合い
学校との話し合いで気にした方が良いことはありますか。
はい、以下の5点を話されてください。
・家庭での食事の様子を学校に詳しく伝える。 ・給食当番活動はしっかりさせる。 ・給食を馬鹿にするような言葉や暴言は使わないことを約束する。 ・自分の用意は自分でする。 ・医療機関やカウンセラーに学校とのやり取りを伝える。
家庭での様子を伝える
食事は家庭での回数が一番多いです。どんなものを好み、どんなものを食べられないのか。
乳児期に離乳食を食べられなかったなど情報を伝えてもらえると学校は嬉しいです。
野菜が嫌いな子でも、ハンバーグに野菜を練りこんだら食べられるなど対策はいくらでもあります。
また、対策して成功したことを伝えてもらえると栄養士は喜びます。
逆に練りこんでハンバーグへの不信感をもたせた例もありますので、いろんな話をしてもらえるといいです。
というのも、給食のハンバーグにいろいろ詰め込みすぎて給食のハンバーグを食べなくなってしまいました。。。
給食当番はさせる
給食当番は、学級の中の役割分担の一つです。これは学級の所属一員ならしなければならないことです。
給食に食べられないものがあるからといって、当番活動をしないというのは間違っています。
特別な対応(弁当食や選択食)をとる代わり、自分で用意をすることと、当番活動をするということは約束した方が良いです。
さもないと、他の子は好きなものだけ食べて、好きなことをしているように映ります。
また、本人も好きなものだけ食べて、嫌いなものを食べず、したくないことをしない子になります。
あくまでも当番活動は、みんながしなければならないことを分担して負担を分散しているので、これはさせないといけません。
給食に対する暴言をさせない
よく「給食がまずい。」「調理員を変えろ。」「栄養士を辞めろ。」と子どもから言われます。
これは、本心から言っていないということはわかっているのですが、シャープな言葉です。
これを聞いて、周りの子どもは、おいしく給食を食べられるはずがありません。特別な対応をする代わりにその言葉は絶対に使わないようにしましょう。
自分の用意は自分でする
特別な対応をとる場合、自身の用意は自身でしましょう。
これは、他の子が用意するという手もあるのですが、あくまでも本人の意思で決めることですので、「面倒だけれど大事だからやっているんだ。」と本人に自覚させるために自分でさせましょう。
医療機関やカウンセラーに伝える
学校とやり取りをしていることを必ずメモをして、伝えましょう。また伝えることを学校に許可をもらいましょう。医療機関やカウンセラーの方も少しでも情報がほしいといわれます。
それがわからず、うまくいっていないかのように思われ薬の量を変えられたり、薬の種類を変えられて今います。
最終的に、学校での態度は悪くなって、非行に走るということは少なくありません。
必ず保護者の方が、細かくノートをとって各関係機関に伝えましょう。参考までにノートの例を載せておきます。
〇/〇 学校△△先生 今の様子良好。□□を食べるようになっていた 〇/〇 カウ△△先生 前回より表情が穏やかになった。 〇/〇 病院○○先生 薬の検討 インチュニブ? 〇/〇 家 卵焼きにほうれん草をいれていても〇
先生の名前は、関係機関同士が連絡を取り合う際に必要です。
「病院名はわかるんですが小児科の・・・だれでしたっけ?」
では、連携がとりにくいのでしっかりメモをしておきましょう。
補足ですが、「情報は関係機関でやりとりをしてよいです。」と伝えてください。個人情報保護法で、個人の情報のやりとりは保護者の許可なしにやりとりできません。
子どものために懸命に研究してくださっている方々に、違法行為はさせないようにしてくださいね。
まとめ
・味の知覚過敏があることが考えられる。 ・副作用で食欲が減退べすることがある。 ・その他 よくわからない原因で食べられないことがある。 ・学校給食が、子ども達にとって苦痛。 ・対応を子どもと相談しながら決めていくのがベスト。
旧来の教育のように、無理に食べさせることをまずやめて、本人と健康のこと、将来のことを話し合いながら、楽しい食事をとりましょう。