
コロナ禍ですが、水泳学習をしていくことが決定されました。どのようなところに気を付けていけばよいのでしょうか。

それは、なかなか厳しい決定ですね。水中は消毒液なので感染対策としては安全なのですが、それ以外のところでリスクがありますね。

そうなんですよ。でも、職務上の命令は絶対なので守らないといけません。

わかりました。それでは、できるだけ感染予防をしながらできるように一緒に考えましょう。
水泳学習の時期になりました。
しかし、まだまだ新型コロナウイルスは猛威を奮っています。
多くの自治体では、水泳学習の中止を余儀なくされていると思いますが、どうしても地域の状況によりしなければならないところがあるようです。
安全に子ども達が水泳学習するには、どうしたら良いのでしょうか。
コロナ禍の水泳学習で注意すること

プールの塩素濃度ph0.4〜1.0を確実に保つ
プールの塩素で新型コロナウイルスが無くなるか無くならないかで議論になると思われます。実は、プールの塩素濃度で不活性化を図れます。
不活性化とは、ウイルスを死滅し感染性を無くさせることです。感染症の学会では、不活性化という言葉が主流のようです。
プールの水質調査会社によると、ph0.4〜1.0(一般的な学校の塩素濃度)で、新形コロナウイルスは1分30秒後に不活性化すると研究報告がされています。
また、日本スイミングクラブも以下のようなコメントを出しています。
残留塩素0.9~2.2mg/Lのプールの水から検出されたウイルスはコクサッキーB4、エコー7型だけだった。
より低濃度またはゼロの塩素消毒で検出されたのは、アデノ3、同4、同7、ポリオ1、コクサッキーB、同B4とエコー3、同11およびパラインフル1は0.9~2.2mg/Lでは検出されなかった。
もちろん、近年になって散見されるようになった食中毒原因のノロウイルス、ライノウイルス、コロナウイルスがプールから検出された報告もいまだ皆無である。よって、通常の塩素消毒でほとんどのウイルスは確実に不活性化されていることになる。
参照(一般社団法人日本スイミングクラブ協会「新型コロナウイルス塩素消毒に関する特別寄稿」)https://www.sc-net.or.jp/
令和2年5月22日スポーツ庁政策課学校体育室の通達により、「プール水の遊離残留塩素濃度が適切に管理されている場合においては、水中感染のリスクは低い」とされています。
つまり、35分近くプールに入る水泳学習では、新型コロナウイルスが十分不活性化することが期待されます。
逆を言えば、塩素濃度が太陽光で薄まっていたので、塩素濃度は0でしたというのは、許されないということです。
毎回プールに入る前に塩素濃度を確認し、ph1.0になるようにしておきましょう。

もともと新型コロナウイルスは、消毒液に弱いウイルスでしたね。また、プールに入れば、基本的にウイルスはほとんど不活性化していくようです。
ではこれで、安全に水泳は利用できるのでしょうか。
それは厳しいというのが結論です。
着替えから順に見ていきましょう。
更衣は最高でも10人未満

子ども達は当然、通常の服装から水着に着替えます。
そのときは、できるだけ密にならないように、10人未満の人数で、素早く着替えさせるようにしましょう。
場合によっては、プールの更衣室で畳4畳半くらいのところに40人くらいが密集しているのは、いけません。
空き教室を使ったり、人数を時間ごとにずらすなどをして着替えさせましょう。
移動中は一言も話させない

移動中も、感染リスクが大きいです。
マスクは水泳では濡れてしまうわけですから、プールに持っていくことはできません。
着替えた場所からプールまで移動するとき、マスクを外す場面があるでしょう。
そうならないように一言も話さないようにしなければなりません。
これは、低学年にとっては、かなり厳しい対応です。
指示が守れる実態であることと、危機意識がある実態の子どもだけでするよういするといいですね。
タオルはプールサイドの網にかけない

タオルは、子ども達の唾液や鼻水が付きます。
使用前だとしても、着替えの際に使って汚れているかもしれません。
それが、タオルが重なったり、前の学年が置いたところに次の学年が置いたところで感染が広がります。
ビニール袋などに入れなどして対策をとりましょう。
準備運動・バディ確認時に声を出さない
普段、準備運動やバディの確認は大きな声を出してしていることでしょう。
しかし、それはしていけません。飛沫感染のリスクがあります。
教師が笛を吹いてカウントをとりましょう。

8呼間笛を吹かなければならないので、下のような電子ホイッスルがあれば便利ですね。
子ども同士が関わる学習はしない
プール学習によっては、子ども同士が向き合ったり、関わり合ったりする学習があります。
子ども同士が向き合った話したり、教え合ったりする学習です。
この活動も感染リスクが高いです。
教師主導でできる活動だけをしましょう。

浮いたり、潜ったり、泳いだりするだけの学習になります。つまらないことですが、仕方ないことです。
プールの水面で話をさせない

水面上でおしゃべりをすることがあると思いますが、絶対にさせないようにしましょう。
子供たちは、水の冷たさや浮遊感でおしゃべりをすることが想定されます。
しかし、これが教室等の他の場所では、考えられないことです。
注意してもできない場合は一度プールサイドにあげてしっかり話をしてください。

マスクをとったら基本的に話しをさせてはいけません。
泳いだ後の入れ替わりも注意
泳いだ後の入れ替わる際も気をつけたいところです。
泳いだ後、入れ替わるときに、ペアの子と正面を向かい合います。この時発声があると、いけないですから、ペアの子がいない対岸側で上がれるようにしたいです。
これは、教師の工夫で感染予防できますから、指導前に子どもの流れを確認してください。
教師はマスク着用

子ども達は水に潜りますが、教師は頭まで浸かる必要はありません。
必ずマスクを着用しましょう。
マスクがあって聞こえにくいと心配されるかも知れませんが、そのときは、スピーカーを使えば良いです。
マスク着用の上、スピーカーを使われてください。

大声出したい先生も多いのはわかりますが、やめておきましょう。
目洗いはしない
近年、目を洗うなどは無くなっていますが、まだプール後の目洗いをしているところもあるようなので載せています。
目を洗うことで、目の粘膜が蛇口につき、その粘膜が違う人に移ります。

もともとしていないところは大丈夫です。
まとめ
今回は、新型コロナウイルス対策を元にしたでの水泳学習でした。
以下のことに気をつけて、安全に学習を進められたらよいですね。
・塩素濃度ph0.4〜ph1.0を保つ
・更衣は、分散し多くても10人
・移動中は、一言も話させない
・タオルは、プールサイドにかけずに、ビニール袋へ
・準備運動・バディ確認等で声を出さない
・子ども同士が関わる活動はせず、教師主導の学習
・プールの水面で話をさせない
・プールサイドに上がるのはペアの子がいないところ
・教師はマスクしてスピーカーで指示
・目洗いはしない
少しでも参考になっていたらうれしいです。

新しい情報がありましたら、また追って更新します。それでは。